ちょっと早く着きすぎてしまったので、お客様のお宅のそばで時間まで待っておりました。
八王子市の郊外で、かつ分譲された大きな家が立ち並ぶ、閑静な住宅街です。
周辺のお宅も大きい。庭も広い。
田舎育ちの私は庭木が好きです。
立派な木やきれいなお庭を見るとつい見入ってしまうのが癖なのですが、この日もたまたま停車した場所のお宅のお庭が大変立派でした。
広い庭だけど、ちゃんと管理が行き届いており芝生はきれいに狩り揃えています。
丸く刈られたドウダンツツジやキンメツゲ、株立ちの立派なアオハダ、いやアオダモかな?
そんなことを考えてつい見ていると
『誰だ?あなたは?うちに何か用かい?』
びっくりしました。
誰もいないと勝手に安心しきっており、まさか垣根の脇に人がいるとは思っていませんでした。
漫画のようにビクッとなり、見ている人がいたら面白い姿だったでしょう。
「あ、えーと、その・・・」
驚きのあまりなかなか声が出ません。
『何!?また不動産屋?あの土地は売らないよ!』
『何回も売らないっていってるだろう!』
なんだか良くない方向になりつつあります。
「いえ、すいません、私は不動産屋じゃないんです」
『じゃあ何?何の用?』
「3件隣りのお宅へパソコンの修理に来たのですが、ついこちらのお庭がきれいで見入ってしまいまして、失礼しました」
『あ、ただ見ていただけ?それならいいよ。好きなだけ見て行ってよ』
勝手に見ていたので不審者と思われるのも仕方ありませんが、やっと友好的になってくれて一安心です。
「すいません、失礼しました」
『いいよ、いいよ、それよりこのヤマモミジすごいでしょ』
おお、確かに立派です。
『こっちはね、ホプシーがあるんだよ、知ってる?ホプシー』
「銀色の葉っぱをしたコニファーですよね?あればかっこよくて存在感ありますよね」
『そうそう、これ、小さい頃はわがままでね、最近やっと大人しく成長してきてくれたよ』
これもすごい。手入れが行き届いているせいか、枝ぶりも見事です。
そんなことを話していたらお約束の時間になってしまいました。
『これもいいでしょ?ばあさんの実家の山からとってきたんだけど』
『こいつも難しくてねぇ、ぜんぜん大きくならないの。でも紅葉がきれいでね』
お話は終わりそうにありません。
どうしようか、困ったなと思っていましたが、話は続きます。
『中に行くとサボテンもあるよ、見ていきなよ』
「ありがたいのですが、そろそろ失礼させていただかないと・・・」
聞こえていないのか、まだ続くようです。
『ほらこれ、これはね伊豆のね・・・』
「あの、そろそろ失礼させて頂かないと、時間ですので・・・お客様が待っていますので」
『ん?ああ、○○さんの家?』
「もう時間が過ぎているので、お待ちになっているかと思うので、すいません」
『なら、俺も一緒に行って庭を見せていたって話してあげるよ』
そうおっしゃって一緒にお客様のお宅へご訪問。
10分程度遅刻です。お客様は笑って下さいました。
『ついでに俺の家のパソコンも見てよ』
といわれ、帰りにお庭を見させて頂いた方のお宅へも寄らせていただきました。
こんな形でお客様が増えるとは思っていませんでした。
結果オーライでしたが、つい庭を見入る癖は直さないといけませんね。
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